8 Aligning large-scale and classroom
assessment
前回のチャプターでは、large-scale と classroom learning-orientedの評価が「better learning outcome」と「better measurement of those outcomes」に寄与する証拠について議論した。
上記の異なるレベルの評価を互いに繋げることは、両方から生まれる証拠を共通の枠組みの中で解釈できるようになるための最終ステップである。
これには2つ側面がある。1つ目は、評価に関する全てのレベルで同じ目標に焦点が向くこと。2つ目は、共通の枠組み (共通標準) の中でパフォーマンスを報告することである。
8.1 Alignment of goals
この側面は、目標 (goal) とは何かに関する共通理解が必要であるが、目標をそろえることは簡単なことではないことが先行研究からも明らかである。
8.2 Aligning interpretations of standards
生徒の達成に関する記録は、外部試験の結果や学校内の審査、もしくは両方に基づいているかもしれない。そのため、国や地域ごとでそれを一般化することはできない。
しかしながら、どんな状況であれ、評価に関する全てのレベルが、パフォーマンスに関する標準を理解することは必要不可欠である。
一般的に、生徒のスタートポイントや現状、目標までの距離への共通理解をもたらす記述的な枠組みがあることが望ましい。このような “learning landscape”は、生徒の向上や学習の所有者となることを手助けする点で有用である。
CEFRのような記述的Can Doスケールは、パフォーマンスレベルの理解を共通標準で揃えて、使用者を助けようと意図されてものであるが、これも一筋縄ではいかない。
このような記述的スケールは、任意の場所で期待されるパフォーマンスレベルに基づいて規範化される傾向にあるからである。
8.3 Construct-based alignment of assessment
コミュニカティブな言語能力が、現実世界との繋がりが全くない「学校としての教科」として扱われるよりも、社会的な技術 (skill) や職業的な価値のように扱われると仮定すると、指導と評価をまとめる明確な基準 (basis) を置くことができよう (Appendix)。
このアプローチにおいてタスクを中心部分に置くことは、タスクが意図する構成概念やタスクが観察可能にする構成概念を学校、評価、政府、社会全員が同じように理解することを可能にすることができるため、非常に価値がある。
social worldは、個々人が果たすべき真正性の高いタスクを提供する。そして、そのようなタスクに直接的に関わることで、大抵の学習が起きる。
一方、教室においてはタスクは現実正解を真似し、多くのインタラクションに焦点が当たるようにする。
評価もまた、標準化され、構成概念に基づいており、規準に準じたタスク活動に依拠している
ゆえに、構成概念が教室、評価、社会を比較・統合を可能にする場合、skillsに焦点を置くことで自然とタスクは中心部分に置かれることとなる。
8.4 Evidence within a Learning Oriented
Assessment model
これまで、large-scale assessment と classroom leaning-oriented assessmentが、評価における基本的な目的-(1) outcomes of leaningの記述と報告、 (2) さらなる学習へつなげることに寄与するというエビデンスを考えてきた。
8.4.1 Proper uses of evidence
第一義的には、生徒のパフォーマンスに関するデータは教師のためにあるべきである。
また、カリキュラムの発達にもこのエビデンスは必要不可欠である。なぜならば、カリキュラムは生徒が何を知っていて何ができるのかを示すエビデンスに基づいて形成されるべきだからである。
このようなことからも、学習の意図や優良な規準、そしてパフォーマンスをどのように評価するのかに関する定義を明らかにすることには意義がある。
8.4.2 Evidence of ancillary effects
本書では、学校出てからも必要な学習スキル、態度、気質 (disposition)を特定してきた。このような概念は社会構成主義の考えから出てきた。
outcomeについてはこれまで議論してきたが、学習スキルのような副次的なものに関して、それらをどのような評価すべきなのか、そもそも評価すべきなのかについての議論は後回しにしてきた。
本書においては、このような技術は間接的な方法で測定することが一番良いのではと考えられている。
8.4.3 Can evidence be re-purposed?
教師が授業の中で、形成的 (評価) な目的のためにエビデンスをどのように集めれば良いのかという議論に関係して、他にも議論すべき課題がある。
それは、形成的 (評価) な目的のために集めたエビデンスを、総括的 (評価) な目的のために再利用することができるのかという課題である。
Harken (2009) では、「教師は指導の一部として集めた情報を形成的な目的のために使用できる。また、その情報を総括的な目的のために使用することもできる。」としている。
8.4.4 Evidence of how students learn: Big data
これまでのエビデンスに関する議論は、学習がどのように学習者を変えるのかということに焦点が向いてきた。
異なる側面として、エビデンスがどのようにskillや能力の理解を深めるかに関する議論もある。
8.5 The validity of Leaning Oriented
Assessment
〜割愛〜
Appendix
(図は著作権により掲載不可)